悟ったような面するブログ

無い脳味噌と知識で垂れ流している。

動物カフェの動物になってみよう、みたいなね

 ここ1ヶ月、一切派遣に行っていない。

 予約を入れ(たく)ない。予約を入れても仕事がない。いつも行っていた所にはたぶん見限られた。

 

 正直、朝起きるの辛いし面倒な人がいるし仕事出来ない私にリーダー任せてくるしと色々全く合っていないのでそれで良いやと思っている。

 

 が、当然ながらお金が無い。

 

 結局家賃払ってない。

 (まあ後日請求書が来るからその時に払おう)

 

 生活費ギリギリ。

 今月は平気そうだけどこのままじゃ最低限の生活も出来なくなる。

 冬までは何とかしなければいけない。

 

 という訳で新しいバイト先を探すことにした2週間前。

 

 

 「日払い、週払い」「短期」「バイト」で検索した。

 

 派遣は却下、飲食店等のバイトも却下。

 警備のバイトを保留しながら、バーチャルアバター(何かアプリがあるらしい)のバイトとウェブライターのバイトを応募して落ちた。

 (携帯が最新iPhoneなら受かってそのまま在宅ワーク出来たのに)

 

 そんな中で見つけた、ガールズバーのバイト。

 

 以前の職場でガールズバーで働いたことがある人がいた。その人が言うにはその職場の倍は稼げてたという。

 けれど最近フォロワーさんが風俗は稼げないと言っていた。

 

 さて、どうしたものか……日払いと短期の項目は満たしているし募集してるくらいなら稼げないことはないのかも知れない。

 というかやっぱり給料が良い。

 

 単純思考によってガールズバーのみにした私はとりあえずA店とB店の2つの仕事体験を予約した。

 

 

 A店の仕事体験の1週間後にB店の仕事体験となった。

 最初の仕事体験の日が来る数日間のうちにのんびりとA店B店とガールズバーについて調べる。

 

 まず、A店とB店の情報が殆どなかった。マップアプリじゃどちらも表示されないし、A店に関してはお店の情報もバイト募集のサイトでしかろくに出てこなかった。

 近くにあるお店が人気店ばかりだからだろうか。

 ……大丈夫なのかしら、このお店。

 

 ガールズバー自体は特に可もなく不可もなくといった感じの情報だった。

 キャバクラよりは直接的なセクハラもないし(カウンター越しだから手が届かない)、格好も殆どの店では自由な私服で良いとのこと。今のバイト先や以前の職場、派遣先みたいにタイツストッキング縛りや長ズボンスニーカー縛りをしなくて良いということだ。

 それにキャバクラみたいなランキング争い(?)がない分女の子同士で仲が悪いといったことがないらしい。特段仲が良くなるというわけでもないらしいが、そこが良い。付かず離れずくらいが丁度良いのだ。

 

 

 ガールズバーは触れないタイプの猫カフェの様だ。

 飲み物を片手に猫を見て癒される。気に入られる言動が出来ればおやつや玩具を買ってもらえる。引っ掻いたり威嚇したりしない限り、手を伸ばされたら逃げても良い。

 せいぜい違いは人と違って猫はどんな子も物凄く可愛いということだ。

 

 仕事体験はそんな猫の体験の様にも思えた。

 

 

 そんなこんなでA店の仕事体験の日が来た。

 

 服装や髪型は一切規定がなく、本当に自由で良いらしい。

 好きな格好が出来るのは凄く有難かった。

 

 しかしあまりにも情報が少なかったので全く期待せずに行った。

 この時の私は最悪速攻で帰るかモグリの振りをするかしようとでも思っていた。

 

 わざと数十分早めに行って店前の様子見。平日なのと狭めの路地にあるせいで人通りが少なく、店に入ってくる人は全くいなかった。

 やっぱり売れない店なのかと思いながら時間通りに入店した。

 

 ボーイさんの方は良い人そう。陰キャにも普通に接してくれそうなノリの良い陽キャという感じの人だった。

 他には誰もいなかったが1時間もすれば2人女の子が来るとのことだった。

 

 なんとA店とB店は仲良しこよしらしい。なんてこったパンナコッタ。

 店同士が近場で他が有名店ばかりだったらそりゃあ仲良くもなるのかと受け止めておくことにした。

 

 

 こうして2時間の仕事体験が始まった。

 

 仕事内容に関して、お酒作りは今昔のバイト先で習ったものが殆どだったので物の位置さえ覚えられれば問題なく出来た。

 

 全然お客が来ないので店前で呼び込みを任された。

 好きに携帯弄ってて良いとのことだったので「キャッチ やり方」で適当に調べる。が、無視されても気にしないようにとかどうでも良いことしか書かれてなかったのですぐ閉じた。

 

 今までの人間観察を頼りにお金を持ってて暇そうでまともな感じの人に声を掛けることにした。

 

 半袖半ズボンサンダルはコンビニに行くくらいの人なのでスルー、イヤホンをして一切周りに視線を向けない人は私と同じガン無視勢なのでスルー、自転車に乗ってる人は止まってくれないのでスルー、早歩きで時計を見ている人はこれから用事の人なのでスルー、女の人は当然スルー。

 ただでさえ人通りが少ないのに声を掛けれそうな人が全然来ない。何とか1人に声を掛けたがやっぱりスルーされた。

 

 それなりに時間が過ぎたらしくお店の女の子2人のうち1人が来た。滅茶苦茶可愛かった。

 

 そのすぐ後にサラリーマン2人が通りかかった。何処かに向かう訳でもない、身嗜み普通の人達。

 すかさず声を掛けたら驚くことにお店に来てくれた。

 

 わたわたしながら案内したらさっきの女の子は驚いた様子をしながらも助けてくれた。私も物凄く驚いていた。たぶん女の子よりも私が驚いた。

 

 序盤ボーイさんが助け、後半は後に来たもう1人の女の子(可愛い)に助けてもらいながら先程釣れた二人組の相手をした。

 

 そしてすぐに釣れた理由が判明した。

 単にこのお店の店長とその父親なだけだった。お店に行こうとした時にたまたま私に声を掛けられたのでそのまま入店したと笑っていた。

 通りで上手くいってシャンパンまで頼んでくれた訳だ。いくらなんでも初っ端からこんな順調にいくはずないもの。

 

女の子の話題の出し方に感心しつつ、必死に愛想を振り撒いてるうちに仕事体験が終わった。 

 バックヤードで労いの言葉とお給料を受け取り、帰宅。

 

 

 初めてのガールズバーは思ったよりも悪くなかった。

 とはいえ相手が店長とその父親だったからそう思えただけの可能性が非常に高い。

 

 個人評価をすると、会話自体はともかく話題提供がダメダメだった。真面目なキャラでやったとはいえノリも微妙だ。

 あの2人の女の子を参考にしつつ、トークの術を勉強するしかないなと思った。

 

 セクハラ云々の点は発言以外は全く問題なさそうだった。

 

 本当にカウンター越しだったので物理的に不可能に近かった。

(狭いので後ろに誰かいると届くかも知れないが)

 その為、正直今のバイト先よりもマシ。というか今のバイト先の方が(ただのカラオケなのに)客から触られるくらいだ。

 

 その他お店の雰囲気、ボーイさんや女の子も今のところ良かったのでもう此処で良いんじゃないかとさえ思えてきた(投げやり)

 

 

 受け取ったお給料は三千と数百円。

 時給が最低1500円らしいので時給的にはこんなものかといった感じ。

 

 ただ、シャンパンが入ったのにボーナスが数百円しかないのはどういうことだろうか。

 別にドリンクも貰ったからもう少しあってもおかしくないのに。仕事体験だからだろうか。

 

 まあ良い。その辺はB店の時に比べて調べてみよう。

 

 

 猫カフェの猫は悪くないのかも知れない。

 次のお店も見ないと何とも言えないけれど。

 

 B店の仕事体験は来週だっけ。

 

 予定を確認しながら、「猫の様な愛らしい容姿があればもっと良かったんだろうな」と人の形をした私は静かに溜め息を吐いた。

 

 

※次の記事、B店体験編へ続く