悟ったような面するブログ

無い脳味噌と知識で垂れ流している。

好きだった人を思い出してみる

煙草を咥えて、思い出しながら考えていた。


まだお兄さん(前の職場にいた彼女持ちの人)のことが好きなのだろうか。「別に」と答えられるなか、どこかモヤつく私がいる。
彼のことを不意に思い出したり、最寄りだという駅に着く度に窓の外を見たり、何ともなしに名前を思い浮かべたり。それだけをみると未だに彼のことを想っていそうなのだが、それ等の行為中、私の中は空っぽなのだ。本来あるだろう恋慕の情も、怒りも、苦しさも、虚しさも。 何も無い。ただ癖でやってるに過ぎない。
だからもう、彼のことは好きではない。

けれど、もし偶然彼に会ったら私は酷く同様すると思う。突如音信不通になった気まずさも勿論あるが、それだけではないのも確実だ。

元彼に会っても、あの人(初めての彼氏)に会っても、きっと同じなのだろう。そう、同じなのだ。
彼等に対しての好意は全くない。その上で私は彼等を認識したら暫く思考停止に陥る。

意識が、世界が、過去に引きずり込まれるのだ。彼等へ恋し、愛した過去に。
一度想いを寄せてしまえば、愛情を持ってしまえば、誰であろうとも。身体を巡るその瞬間を、過ぎた過去を誤魔化すことは出来ないのだ。例え嫌い憎しむ結果になったとしても。

詰まる所お兄さんも含め、もう彼等を好きではない。未だに私を捕らえているのは彼等に対する恋愛ではなく、過去に閉じ込められた私自身なのだ。

これからも私は私自身に捕らえられ、新たな誰かで埋めるまで振り回され続けるのだろう。
過去と現在が混ざり合い沈む、あの無重力状態に何度も陥るのだろう。

その誰かを嫌わなくてはいけなくなった時、またその誰かも「好きだった人」として思い出されるのだろうか。誰かを好きになった今が、やがて過去になり、私の中に深く染みついて──


ここまで考えて、彼等の中にワンコ君がいないことがひたすらに申し訳なく感じた。
でもまあ、もし私が彼を好きになれたとしたら今頃きっと酷く傷付いていたことだろう。例え私に好かれていたとしても、彼は私より母を選んだのだから。
だから何も問題はない。申し訳なく感じる必要もない。寧ろ離れやすくいるだけ感謝されるべきなのかも知れない、なんて。


……はあ、気持ち悪い。
考えるのに夢中で、つい煙草を吸い過ぎたみたい。